働き方改革の「7、子育て介護等と仕事の両立、障害者の就労」の子育てと仕事の両立政策についての背景、助成金の関係の話をします。

出産・育児を理由に離職した人は、過去5年間で、103万人近くいました。そのうち5割の女性が、第一子の出産・育児を機に退職しています。その約4分の1が退職理由として「仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立の難しさでやめた」と回答しています。育児休業の取得状況は、女性は8割強で、男性の育休取得率も上昇していますが、いまだ1割程度にすぎません。いわゆる「ワンオペ育児」が女性の活躍の阻害要因、少子化の原因となっています。

育児介護休業法は、育児・介護中の労働者に対して休業、休暇、時間外労働制限、所定労働時間短縮などの措置を講ずることを、事業者に義務付けていますが、政府のこの働き方改革についての施策はそれを更に定着させるためのものです。施策は①子育て・介護と仕事の両立支援策の充実・活用促進(男性の育児・介護等への参加促進)、②障害者等の希望や能力を活かした就業支援の推進です。今回は、子育てについて助成金の説明をします。

子育て等に関する助成金は、両立支援等助成金で、労働者の職業生活と家庭生活を両立させるための制度の導入や事業所内保育施設の設置・運営に対して助成するものであり、仕事と家庭の両立支援のための事業主の取組の促進を目的としています。コースは次の4つになります。①出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)、②介護離職防止支援コース、③育児休業等支援コース、④不妊治療両立支援コース。今回は①について話をします。

出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)は、男性の育休取得、育児目的休暇の導入利用に対し助成するものです。助成額は第1種と第2種があり、第1種助成金は、男性労働者が育児休業を取得しやすい雇用環境の整備措置を複数実施するとともに、代替する労働者の残業抑制のための業務見直しなどを含む業務体制整備等を行い、産後8週間以内に開始する連続5日以上の育児休業を取得させた中小企業事業主に助成金を支給します。助成金額は20万円代替要員加算20 万円(3人以上45万円)です。

第2種助成金は、第1種助成金を受給した事業主において、育児休業を取得している男性被保険者の割合が、第1種助成金の申請日の属する事業年度の翌事業年度以降3事業年度以内に 30%以上上昇し、第1種助成金の申請日以降に1日以上の育児休業を取得した男性被保険者が2人以上いる等の場合に、追加で助成金を支給することとしています。助成金額は、最大60万円で、第1種・第2種ともに1事業主当たり1回限りです。

東京都でも「働くパパママ育休取得応援奨励金」などで、女性従業員に子の父と協力して子育てすることを前提とした育児休業を取得させ、仕事と育児の両立に向けた取組計画を作成した都内中小企業等を別途支援しています。(要件を満たせば奨励金100 万円、1事業年度1回のみ)

こういった助成金は「育休をしやすい雇用環境や業務体制の整備」を行うためにするものでする。男性育休は、以前からありましたが、中小企業の人事労務担当者からは、「忙しい時期に育休で休まれると他の従業員に負担がかかってしまう。」と不評でした。しかし、男性育休の助成金を受給することで代替要員の確保ができ、業務の見直しなどものキッカケになる場合もあります。従業員の配偶者の出産は一生に何回もあるわけではありませんので、一所懸命に働いている従業員に報いるためにも、育児休暇をあげて、育児に参加させてあげて、その分は助成金をもらう。きっと、従業員は会社に感謝するはずです。